top of page

平成22年度川辺さんイタリア遠征記

平成22年5月29日~6月5日の期間で、阪大合気道部OBの30代川辺さん、32代の藤田さん、46代の大浦さんと蔭浦さんが、イタリアに合気道の遠征に行かれました。
その様子を川辺さんがレポートとして掲示板に書き込んでくださったので、ここにまとめさせていただきました。

 

◎初日◎

 朝7時45分に関空集合ということで、JRに乗り込み出発。7時20分に集合場所へ到着すると、既に大浦さんが1番のりで来ていました。5分後には蔭浦さん、そして5分後には藤田君。とりあえず、無事に4人合流。(実は藤田君は、寝坊によりバス1台遅刻したとのこと。コラ!)

 

 搭乗手続きを済ませ、空港内へ。ここで大切な仕事を一つ完了。藪内先生へのお土産にするタバコをゲット。(空港で買うタバコは、包装が少しプレミアムらしい。)搭乗ゲートでボーっと時間をつぶし、いよいよ飛行機内へ。10時44分に関空をテイクオフ。まずは、フランクフルトまでの11時間以上におよぶ長いフライトに突入。座席は、女性2名が一緒で、私と藤田はバラバラとなんともさびしい配置。(俺がウサギやったら、寂しくて死んでるとこやないか!と一人つっこみ。。。)幸いなことに、私の隣は体の小さなおばあさんだったので、席には想定よりは広めに座れました。朝が早かったので最初は少し眠ってましたが、なんせ椅子に座ったままでのこと、すぐに目も覚め退屈な状態に。「こんな時にかわいい46代とキャピキャピできたら・・・」と思っていたかどうかは横においといて、とりあえず読書を始めました。でも、これも10分程でストップ。(ちなみに本は、新渡戸稲造の「武士道」。読むのは2回目です。)

 

 「さあ何しよう」と考えているところで、飲み物のサービスが始まりました。

 

 いつも木村先生と一緒の時は、機内サービスでビールをもらい、全員で乾杯という流れだったのですが、今回は席がバラバラであったため、一人でビールをたのむことに。

 

 しか~し、ここで一期一会!機内サービスを運んできた女性がドイツ人(だと思う)で、英語での問いかけであったため、となりのおばあさんの分の飲み物も私が頼んであげたところ、おばあさんもビールを希望。乾杯まではしませんでしたが、おばあさんから、おつまみとして北海道の物産展で購入されたという昆布のお菓子とおかきを頂き、世間話をしながら二人でビールを堪能しました。なんとこの方、80歳!60歳で教職を退職され、以降、年4回は必ず海外へ行こうと決めてこれを実施されているそうで、必ず一人でツアーに参加することにしているとのこと。さすがに70歳以降は、年3回に回数を減らしたらしいのですが、そのパワーに驚かされました。(見た感じも、年齢より10歳以上は若く見えます)長い間、熊本で過ごされていたとのことで、熊本城の話に始まり、加藤清正の話、現政権の話、その他いろいろな話で楽しく盛り上がりました。(さすがに10時間以上話っぱなしというわけではありませんが)そんなこんなで、キャピキャピではありませんが、また別の観点でおもしろい時間を過ごすことができました。おばあさん、ありがとうございました。


 さて、飛行機は15時8分にフランクフルトの空港に着陸。ここでベニス行きの飛行機に乗り換えです。少し時間がありましたが、搭乗ゲートで大人しくボーっとしてました。待っている間、近くに座っていた外人少年軍団のやかましさに思わず「イラッ」と。どこの国でも、マナーの悪い子供たちはいるもんですね。

 

 17時58分、フランクフルト離陸。18時55分ベニス空港着。ついにイタリアです。1年あいたのでワクワク度もいつも以上。荷物をとってゲートを出ると、今回お世話になる道場の方々が笑顔で迎えてくれました。もちろん、こちらも満面の笑顔です。柔術の道場のマリオ先生、その生徒のルカさん、ガブリエルさん、クラウディオさんとその彼女、もうひとりクラウディオさん、そして日本語も話せる女性ロッセッラさん。合気道の道場からは、ロベルトさん夫婦、ディーノさん夫婦。多くの方に迎えて頂いて、感激感激です。46代の二人は、ハグハグ&チュッチュッの初体験。多少のぎこちなさは感じましたが、楽しそうでした。(私とは一回もしてくれませんでしたが・・・(涙))


 合気道の道場の方々とはそのままお別れ。前半は柔術の道場の方々にお世話になるため、空港から、みなさんの車で移動。途中で、バイキングスタイルのお店に立ち寄り晩の食事を頂きました。お店は、自分の好きな食材をとり、それを焼いてもらったり、中華風味付けにしてもらったり、日本でもブッフェスタイルでよくあるような食材があったりと、バリエーション豊富なお店でした。(お寿司もどきもありました)私はさっそくワインを頂き、ご満悦。ただ、さすがに時差を考慮すると、日本なら夜中3時頃の計算。私を含め、4人ともそれほど食欲は発揮できず、その日は終了しました。


 お店をでてホテルまで送ってもらい、初日は終了。男女二人ずつで、部屋に分かれてひとまず睡眠。「さあ!明日から暴れるぞー」って感じで寝ました。

 

◎2日目◎

 早々に目が覚める。

 

 マリオ先生の道場の人であるガブリエルさんが9時に迎えに来てくれる予定だったのですが、既に3時半頃に目が覚めたので、布団の中でゴロゴロしていると、隣の藤田君も目が覚めた模様。5時過ぎくらいから、二人で現役時代の思い出話で盛り上がりつつ、6時半ころより身支度を整え始めました。

 今日は、9時半より稽古。昼からベネチア見学の予定。46代の二人にとっても、最初のワクワク観光デーです。まずは、8時に4人そろってホテルの一室でブレックファースト。みんなでカプチーノを頼み、テーブルへ。イタリアは、朝食からガッツリ食べる文化はないのですが、そこはホテルのこと。パンや、ハム(生ハムも)、フルーツ、ヨーグルトと、バリエーション豊富です。このホテルはいつも利用するホテルなので、私は勝手知ったるなんとやらで、大好きなハム類をいっぱい食べました。

 

 藤田君は小食。46代の二人は・・・、

 「生ハムメロン~」

 といいながら、満面の笑顔で、甘いパンも含め、いい感じでおいしそうに朝食にありついてました。


 さあ、ここからがいよいよイタリアロードのスタートです。9時前にガブリエルさんが、我々をホテルまで迎えに来てくれました。午前中は、マリオ先生の柔術道場で、柔術の方々+後半お世話になる合気道道場の方の一部を交えての稽古です。9時10分頃道場に到着。私にとっては、非常に懐かしく、初めての3人にとっては、気の引き締まる瞬間だったと思います。マリオ先生の道場は、日本よりも少し柔らかめの畳が敷かれています。広さは50畳ほど。翁先生、小林師範、加納治五郎先生、柔術の先生といろいろな方々の写真があり、相当りっぱな道場です。トレーニング機器も豊富です。私たちは、道着に着替え、ちょっとした緊張感の中、次々とやってくる道場生に挨拶。

 「ボンジョルノ」「チャオ」
私は、久しぶりのみなさんとの再会を喜び合い、初めての3人は、簡単に挨拶を。

 9時半より稽古スタート。私が前で指導するということでしたので、いろいろと考えながら進めていきました。稽古しているメンバーの大半は柔術の方々。関節技を中心に、受けの形は打撃系を意識するようにしました。受けはイタリアの方々にとって頂き、稽古中、私は見回りながら、柔術の方を中心に、関節技をかける、というようにしていました。技はおもしろいように効くので、そういう意味では良かったですね。(指導の立場にたつ以上、それなりの評価を得ないとなあ)一方、初めての3人も、筋骨隆々のみなさんを相手に、蒸し暑い中、真剣に頑張っていました。3人とも、稽古もするは、写真もしっかりとってくれるはと、本当に大活躍でしたね。46代の二人には、演武もしてもらい、私の感想としては、大満足のスタートでした。


 稽古のあとはランチタ~イム!実は、マリオ先生は、元ピザ・パスタ屋(今は、お店をやめて柔術の指導に専念)をしておられ、彼のつくるものは本当においしいのです。そのマリオ先生が、作ってくれたパスタを、練習生の一部の方々と一緒に道場の建屋内で食べ、いざベネチア観光へ出発!!ベネチアは、ご存知の方も多いと思いますが、一つの島になっているので、車かバスに乗って橋を渡らねばなりません。我々は、マリオ先生の道場の方の車に分乗してバス乗り場まで行き、そこに車をとめ一同バスへ。我々4名のために、マリオ先生とシビラさん、ルカさんとロッセッラさん、そしてガブリエルと5名も一緒についてきてくれました。

 橋を渡ってバスを降りると、そこにはもう一人スタンバイしてくれていました。ベネチア観光の目的の一つに、ゴンドラに乗ることがあったのですが、実は、マリオ先生の道場には、合気道をやっているゴンドラの漕ぎ手、パオロさんという方がいます。いつもパオロさんが我々を乗せてくれるのですが、そのパオロさんの恋人が、既にスタンバイしてくれていたのです。(ちなみに、超べっぴんです。)パオロさんは、先に乗り場に行って、準備してくれているとのことでした。
 
 そこで、まずは、ゴンドラに乗るべく、街中を歩いて乗り場まで向かいました。もちろん、観光やおみやげ物を選びながらなので、ゆっくりと街並みを堪能しながらです。藤田君はパシャパシャと一眼レフのカメラでいろいろ写真を撮ってくれました。46代の二人も本当に楽しそうにはしゃぎながら、デジカメであちこち撮りまくりです。自分自身も楽しくてしかたなかったですが、あれだけ二人が喜んでいる姿をみると、私自身のうれしさも「さらに倍」という感じでした。
 
 途中、パオロさんの彼女が、ベネチアグラス(名産です)の加工場をみせてくれるお店に連れて行ってくれました。そこで、各々時間を過ごしていると、事件発生!!なんと、展示している商品を触っていたFじ田君が、商品を2~3品割ってしまいました。(えらいこっちゃ~!!!)でも、マリオ先生が間に入ってくれ、特に大きな問題にはならなかったのですが、Fじ田君は大変恐縮しておりました。(もちろん、あとで私も本人もマリオ先生には、改めてお礼を言い、ちょっとした品物も渡しました)

 そんなハプニングのあと、ついにゴンドラ乗り場に到着。パオロさんが漕ぐゴンドラに、我々は乗り込みました。実は、ここでも新たな出会いがありました。ロッセッラさんが、自分のお世話になっている日本人のグラフィックデザイナーの先生(業界では超有名人です)と、その人に同行している方の2名を紹介してくれたのです。(私よりもずっと年配の方々です)バスを降りて以降、そのお二人も一緒に行動しており、ゴンドラも一緒に乗りました。結果として、6名でワイワイと話しながら、約30分~45分くらいのゴンドラ遊覧を満喫しました。これは本当に何回経験してもいいもですよ。もちろん、みんな大満足、大感動です。パオロさん、本当にありがとうございました。

 ゴンドラを降りたあとは、サンマルコ広場へ。サンマルコ広場は、言葉では表現できないほどの感動を与えてくれます。歴史の深さや重さをはじめ、なんとも言えないヨーロッパの文化を感じさせてくれます。特にはじめての3名は、その圧倒的な壮大感に、本当に感激していました。景色から、建物から、本当にすごいんです。(掲示板ではこれ以上表現できません。すみません。また会った時に聞いてください。)サンマルコ広場を見た後は、水上タクシーでバス乗り場へ。気持ちはまだまだ滞在したかったのですが、時間の都合上、ベネチアをあとにしました。

 

 少し話しを戻しますが、ベネチア観光中に面白かったことを紹介・・・しようと思いましたが、ここはまた別でお話しましょう。

 晩の食事は、マリオ先生のお知り合いの方の経営されているお店へ。そこでおいしいピザ、ワイン、グラッパをご馳走になり、ホテルまで送って頂きました。

 イタリアでの活動初日から、本当に感謝感激雨あられの一日でした。何度も繰り返すしかありませんが、本当に大満足の一日でした。

 

◎3日目◎

 この日も早々に目が覚めました。やはり、少々緊張状態にあったのかもしれません。藤田君も同様、早く目覚めてました。4時半頃より、空はぼんやりと明るくなりだし、二人とも、6時頃より身支度を開始しました。この日は、割と朝のスタートはゆっくりの予定だったのですが、じっと横になっているのがかえって苦痛で、身支度を整えながら、ホテルの周りを散歩しようと思いました。書き漏らしましたが、この前日も、朝食前の20分程、4人で散歩をしていたのですが、この日は時間もゆっくりあったので、朝食(内容は昨日と同様です)をとった後、少し遠くまで足をのばしました。

 ホテルは、ドロという町にあるのですが、ホテルの前には川が流れており、非常に風情があっていいところです。前の日の朝は、市民マラソンのようなものが開催されており、ちょうどホテルの前あたりが選手の集合場所のようになっていたため、割と多くの人々がうろうろとしていましたが、この日はそれほどでもなく、なんとなくのんびりとした感じでした。

 でも、月曜日ということもあり、少し歩いていると、車の量も人の数も徐々に増え始めました。私たちは、ホテルの周り、川沿いの裏道をのんびりと歩きました。途中、川のほうに突き出した木があり、藤田君、蔭浦さん、大浦さんの順に木に登り、写真撮影も。なんか幸せでしたね。(3人もそう思っていたはず・・・)

 ガブリエルさんがホテルに迎えに来てくれる時間が近づいてきたので、戻っていると、我々の後ろから車のクラクションが・・・、そうガブリエルさんでした。ホテルまではもう少し距離があったので、お互い手を振って見送りあい、再びホテルで合流。マリオ先生とシビラさんも迎えに来てくれ、一緒にパドバへ連れて行ってくれました。

 パドバへの車中、ちょっと盛り上がった話題がありましたが、これは文字にするといろいろツッコミがはいりそうなので、また興味があれば、直接聞いてください。

 駐車するのに少し手間取りましたが、無事場所を確保。街中を少し歩き、教会へ。この教会は、聖人の体の一部を納めていたり、幼くして亡くなった子供たちを供養している教会でした。ヨーロッパで見る教会は、本当に長い歴史を感じさせてくれますし、崇高なオーラに圧倒される感じがします。4人とも本当に澄んだ気持ちになって教会をあとにしました。(ほんまやで~。なあ、一緒に行ったみなさん。)

 車で昼食の店へ移動。少し遅めの昼食開始でしたが、ここではパスタと肉を、本当にお腹がはちきれるくらい頂きました。おいしいカルボナーラに、おいしいお肉。マリオ先生、本当にいつもありがとうございます。シエスタでお店が閉まる時間ぎりぎりまで、しっかりと食事を堪能しました。女性陣は、デザートもおいしそうに食べていましたが、そのおいしそうな顔を見ていると、何故かこっちもうれしくなりました。昼食後、一度ホテルに戻り少し休憩。夕方17時から、柔術の道場の子供の稽古に一緒に入ります。しか~し、ここで大問題。昼食の時間が少し遅かったことと、あまりにも大量に食してしまったことから、お腹が一向に運動モードに戻らない・・・。4人とも似たような状態。。。えらいこっちゃ!とはいえ、道着に着替えると少し気合も入り、稽古モードに。

 道場に到着して、ここでまたサプラ~イズ!マリオ先生から子供の指導をお願いされました。私は、多少の覚悟はあったものの、基本的には柔術の稽古をしている子供たちに混ざって、我々もマリオ先生に教わるものだと思っていました。
 
 それではと、覚悟をきめて前にでて、指導を始めました。とはいえ、私はイタリア語を話せないので、つたない英語で説明をし、それをルカさんが通訳するという形で行いました。子供の集中力を保つには、やはり興味をもたすしかないと思い、できるだけいろいろと語りかけながら、他の3人にも手伝ってもらい、こまめに子供とのコンタクトをとりました。前で技をする受けにも子供を使い、なんとか、1時間半の稽古を終了。再び46代の二人にも演武をしてもらい、子供たちも大喜びのうちに稽古を締めくくれたと思います。藤田君、大浦さん、蔭浦さんの3人とも、稽古中は、写真撮影やら、指導の補助やら、本当にご苦労さんでした。感謝しています。

 稽古後は一旦ホテルに戻り、シャワーを浴びて夕食へ向かう準備。マリオ先生の道場の方々との一席はこの夜が最後。4人で正装になり、迎えに来て頂くのを待ちました。(46代の二人は、思わず「おっ」と思うほどの変身ぶりでしたよ~。エレガント!)

 車でお店に。マリオ先生にシビラさん、ルカさんにロッセッラさん、ガブリエルさん、柔術の道場の方2名に同席頂けました。料理は、馬肉の料理でした。ここでもお腹いっぱいご馳走になり、ワイン、グラッパと、本当においしく頂きました。もちろん、女性陣はデザートも。

 

 この食事中、またもやハプニング~。お酒で気分の良くなったガブリエルさんが、女性二人に密着!ちょっと嫉妬した瞬間でした。。。その後、さら~に!マリオ先生が、女性陣のほっぺたに順にキスを開始。そんな流れが私にも・・・、そう、しっかりほっぺにチューされました。(もちろん藤田君も)

 こんな楽しい時間は、本当に早く過ぎるものです。みんなとの別れを惜しみつつ、ホテルに送ってもらい、就寝。。。

 

◎4日目◎

 この日もやはり、早々に目覚め。藤田君も同じ。なんとなく、二人してボーっと。(なんかこの繰り返しやなあ・・・)

 朝は7時半から4人で朝食。今回の行程では、このホテルで最後の食事。ハムの味を忘れないよう、味わって食べました。
 
 8時半に、後半お世話になる道場の方、ロベルトさん、ディーノさんとキャラさんがホテルまで迎えに来てくれました。そして、マリオ先生とシビラさんも、見送りに来てくれました。マリオ先生、本当に3日間お世話になりました。ありがとうございました。

 ホテルをあとに、ロベルトさん、ディーノさんとキャラさんの車に分乗し、ベローナという町へ移動。ベローナ、そう、ロミオとジュリエットの舞台となった場所のあるところです。随分と車で走りましたが、途中高速のサービスエリアのようなところでの休憩をはさみ、目的地へ到着。

 この町は、最近の言い方でいうならば、イタリアの「パワースポット」。ジュリエットがいたという建物が、資料館のようになっており、入り口付近の壁には、願い事を書いた紙がたくさん貼られていました。もちろん、我々もしっかり願い事を書いて貼ってきました。(但し、付箋なので粘着力が心配…。)
何をお願いしたかは…ヒ・ミ・ツ!建物の中を見ている途中で、「窓辺でたたずむジュリエットを演じよう」ではないですが、そんな感じの46代の二人を激写。(被写体がいいと、写真も良くなりますね!本当ですよ。)

 建物内を見た後は、外にあるジュリエット像へ。そこには人があふれていました。なんと、このジュリエット像をさわると幸せになれるそうなのです。もちろん、しっかり触ってきました。(ん~、「さわる」を漢字にすると、なんかいやらしいですな。。。)これで、みんな絶対にハッピー!!
 
 その後は、ベローネ地方独特のパスタ(平べったいうどんのようなパスタ)を頂き、もちろん、ワイン&グラッパもセットです。藤田君と女性陣は、デザートもしっかり食べてました。教会にも立ち寄り、ゆっくり見学。前にも書きましたが、教会は、建築物としても美しいですし、スピリチュアルな意味でも圧倒されるものがありますね。すっかり浄化された気分で観光終了。後半宿泊させていただく、アンナマリアさん、シルバンナさん姉妹の家へGo!

 しばらく車にゆられた後、アンナマリアさん、シルバンナさん姉妹宅に到着。ここは、姉妹でワンフロアーずつ(2Fと3Fに)お住まいで、私たち4名は、普段アンナマリアさんのいらっしゃる2Fのフロアーでお世話になることに。(木村先生と一緒の時も、いつも2Fでお世話になっています)5年前のレポートでも書いたかと思いますが、ここのお宅は本当に素敵なお宅で、ベランダにでると、ちょっとしたセレブになった気分に浸れるようなお宅です。リビングも広くゆったりしており、私たちは、早速部屋に荷物をおいて、少しくつろがせていただきました。

 しばらくすると、後半の道場の先生であるマルティーノさんが登場。再会の挨拶の後、この日以降の稽古のスケジュールについて少し話しをしました。この日は、20時30分から22時まで稽古とのことでしたので、20時過ぎに迎えに来てもらうまで、各自部屋で少し休息することにしました。なんとなく、久しぶりの我が家への帰還という感じもあり、テンションアップの時間でした。

 私は、翌日の審査の準備をするために、もう少しマルティーノさん他と打ち合わせ。少し藤田君にも手伝ってもらい、なんとか審査の準備は完了しました。しかしながら、もう一つ大切なことは、指導に関しても木村先生からのミッションをしっかりと果たすこと。イタリア前に木村先生と話をしていた内容を、今一度自分の中で確認し、指導のイメージトレーニング。迎えが来たので、4人で道場へ。
 
 稽古前に簡単に挨拶をし、各種入り身投げ、各種四方投げ等、基本技を実施。技の名前、受けの形の呼び方をゆっくりと繰り返し口にし、その上で、「さばき」「入り身」「転換」「崩し」「めぐり」「投げ」「極め」「残心」を、一つ一つ意識させるよう指導しました。あっという間に1時間半終了。他の3人も、道場内の湿度が高い中、頑張って稽古してくれました。木村先生不在の中、私の指導で満足頂けたのかどうかはわかりませんが、みなさん、稽古終了後は、汗まみれの笑顔で気持ちよさそうに笑ってくれていました。(私の独りよがりな印象の持ち方ですが、本当にうれしかったですね)

 稽古後は着替えて夕食のお店に。道場のみなさんと、ワイワイガヤガヤと楽しく、食事をし、少し遅い時間に就寝。翌日も頑張るぞ~、と気合を入れ直しました。

 

◎5日目◎

 いよいよ残すところ実質あと2日。早めに目が覚めるのはいつものこと。藤田君もいつもどおり。我々がいる2Fの部屋は、完全に我々だけの空間として使わせて頂いているので、食事はいつも3Fの部屋で用意してもらっています。この日も、8時半から朝食ということでしたので、3Fへ上がりました。前にも書きましたが、イタリアの朝食は、量で言うと、日本の3時のおやつくらいのもので、シルバンナさんのお宅で準備してくれているのも、ビスケットや軽い菓子パン系のものとコーヒーです。

 雑談しながら、朝食を終え、道着に着替えました。いよいよ審査です。10時から審査開始なので、もう一度受検者のリストを確認し、進行のイメージを頭の中で振り返りました。これまで審査時は、木村先生が、その場の緊張した雰囲気づくりをされていたため、私もこれに倣わないとと、気を引き締めました。

 道場へ到着すると、道場の人達が相当緊張した面持ちで座っていました。マルティーノさんからは、まずは基本技を少し稽古して体を動かした後、審査をして欲しいとの要望がありましたので、20分ほど動いたのち、審査に入りました。

 5級、4級、3級と全体で約20名が審査を受けましたが、みなさん本当に真剣に、必死で自分の技を出し切っていたと感じました。
  
 ここがいつもヨーロッパにきて感じる大事なポイントです。日本の学生のみなさんに大切にしてほしいこと。それは、1回1回の稽古を如何に大切に感じてこれに臨むかということです。もちろん、道場にもよりますが、ヨーロッパの方々が、日本の師範と言われる方々から直接指導を受ける機会は年にわずかです。彼らは、その貴重な機会を大切に、師範の一挙手一投足に全神経を注いで記憶に焼付け、そしてそのとおりに必死で動き、強烈な集中力で稽古に励みます。そのひたむきさには、いつも本当に頭が下がります。本掲示板をご覧のみなさん、是非、参考にしてください。

 少し話はそれましたが、そういった雰囲気の中、ややヒヤッとする場面もありましたが、無事審査は終わりました。結果として全員合格。私から、一人一人の今後の改善点と良かった点を紹介してほしいとのことでしたので、そのようにして終了しました。

 これは手前味噌な話ですが、前日の稽古で繰り返し伝えた姿勢・視線・残心の大切さについて、みなさん十分注意してくれていたように感じたので、私にとって、うれしい結果でもありました。

 続いて、審査ではないですが、初段候補の方が2名いたので、審査の練習ということで、彼らの分も見てコメントし、午前のスケジュールを終了しました。(十分合格ラインでした)

 繰り返しになりますが、道場のみなさんの稽古に込める熱い思いに、あらためて感心した時間でした。
(一緒に行った3人も、その点には本当に感心していました。3人さん、そのあたり、現役のみなさんに伝えてくださいね。よろしく。)

 審査後、シルバンナさんのお宅に戻り、昼食を。
 
 先に書くべきだったかもしれませんが、この日の審査の時間から、アンドレアさん夫妻が顔を出してくれていました。アンドレアさんは、2年間名古屋大学で勉強しており、一緒に岩間の合氣大祭にも行ったことのある人です。(奥さんも大学時代から日本語を勉強している人です)アンドレアさんが日本語を話せるので、実は午前の審査は、少し日本語を使うことができ、割と言葉の面は楽にさせてもらえました。(アンドレアさん、ありがとう。)

 昼食には、アンドレアさん夫妻も一緒に来てくれました。料理は、いつも作ってくれるイタリアの家庭料理の一つであるグリーンピースを使った料理や、ほうれん草の料理、そして私の好きな肉料理をご用意頂き、4人そろって大満足、というかんじでした。(アンナマリアさん、シルバンナさん、いつも本当においしい料理をありがとうございます。)

 昼食後は、審査に関連して、合格証書を作成しないといけなかったので、その準備を開始。少し時間がかかりましたが、準備完了後、大浦さんに手伝ってもらい(というかほとんど大浦さん頼りで)、証書を作成し始めました。しかしながら、あまり時間もなく、5枚ほどしか作れないまま18時には道場へ向かい、18時半より子供の稽古開始。

 1時間程、子供の指導を行いましたが、これもまた大変。でも、子供たちは本当に楽しそうに稽古に励んでいました。3人にも一緒に見回ってもらい、充実した稽古時間を過ごすことができました。最後は、46代の二人に演武をしてもらいましたが、子供たちの満足そうな笑顔と、子供たちの二人に対するあこがれのような眼差しを見て、うれしくなった私でした。

 ここで、さらにうれしいことが・・・。シルバンナさんの部屋の向かい側にお住まいのおばあさんが、この稽古の様子を見に来てくれており、私の指導の仕方がとてもすばらしい、とほめてくれました。お世辞でもうれしいですね。これからもがんばりまっす!!

 次の稽古は20時半からなので、小1時間程、道場の近くのカフェで小休止。ただ、アンドレアさん夫妻とはここでお別れ。アンドレアさん、また会いましょう。お元気で。

 4人でカフェに移動し、すこしくつろいでいると・・・。ここの話は、また興味があれば聞いてください。(ま、女性陣のモテ話ですが)

 時間が来たので、再び道場へ。前日の稽古同様、基本的な動作を一つ一つしっかりと説明しました。丁度よい緊張感の中、みなさん気持ちよく汗をかいていたと思います。

 そして晩の食事。前日と同じくお店に行き道場のみなさんと楽しく騒ぎました。ここでもやはり・・・。(ん~、これも興味があれば、別途聞いてください。)

 閉店時間一杯までお店で過ごし(たしか0時頃まで)、この場は解散。道場のみなさんとはお別れしましたが、ロベルト夫妻とディーノ夫妻がなんと、夜の街へ散歩に行かないかと誘ってくれました。(居酒屋みたいなところがあるよ、との絶好の誘い文句でした。)もちろん、「是非」とお願いし、車で40分ほどのところへ繰り出しました。

 街中を少し散歩し、バーのようなところへ。居酒屋というより、アメリカンバーという感じのところでしたが、ロックの流れる中、気分が良くなった私は・・・。(やめときましょう。)

 店を出てまた少し歩くと、今は改装工事中のため中には入れないのですが、いろいろな芸術品を展示している、その街では有名な資料館のようなところがありました。夜の闇のなか、ライトに照らされて、なんともきれいでした。

 ロベルト夫妻、ディーノ夫妻、素敵な夜をありがとうございました。


 2時頃(だったと思います)帰宅。就寝。。。

 

◎6日目◎

 この日は実質の最終日。しないといけないことはまだ残っているので、少し焦燥感も。合格証書の仕上げ他審査関連の手続き、買い物、そして荷物の整理と、考えると結構時間がありません。

 とりあえず、8時から、いつもどおり軽い朝食。買い物をする場所が8時半からオープンするので、4人で移動。いろいろと買った後、となりがワイン工場なので、そちらにも行きました。何種類か試飲させてもらい、各自お気に入りのものを購入しました。我々が滞在しているこのコルサ・マルティーノという町は、ワイン用のブドウ畑の広がっている町です。白ワインが独特で、発酵させる過程において自然に発泡するので、口当たりがさわやかで一層フルーティに感じます。(シャンパンほどシュワシュワしてはいませんが)

 10時過ぎに帰宅すると、ロベルトさん、ディーノ夫妻が迎えに来てくれていました。購入したものを部屋に置いて、車で出発。1時間強車に揺られ目的地に到着。街並みを楽しみながらブラブラと散歩しつつ、ウインドウショッピング(とはいえ何も購入はしていませんが)のように、いろんなお店を見ていました。昼食のお店に行くのが主目的の一つだったようですが、少し開店まで時間があったようで、街の中央にある広場のようなところでお茶をしながら少し休んでいました。

 ロベルトさんの説明では、この街の人達は、何かあれば広場のようなところに集まったり、どっかのお店に集まったりして、ワイワイと語り合うことが多いとのことでした。そんなコミュニケーションをとれる街での生活も良さそうですね。

 さて、時間になったので昼食をとるお店へ。特に印象的だったのはパスタです。この地方独特のものらしく、見た目は少し黄色く、食感はもちもちっとしたチキンラーメンという感じでした。(めちゃくちゃうまかったですよ~ん♪)私は、もちろんワインから始まりグラッパで締め。他の3名は締めはデザート。イタリアのみなさん、本当に毎回毎回おいしい食事をありがとうございます。(合掌、礼)

 昼食後は駐車場へ向かい、帰宅。駐車場へ向かう途中、路地に面白いものがありました。私は…、ん~、ここではやめておきましょう。

 15時過ぎに帰宅。大浦さんには、昇級合格証書の作成の続きをやってもらいました。完成後、ロベルトさん、ディーノさんに手伝ってもらい、 名前のスペルの書き誤りがないか等チェック。無事全員分作成完了。(大浦さん、ありがとう。横でサポートしてくれた藤田君、蔭浦さん、ごくろうさんでた)

 そこから各自帰国にむけて荷物整理。毎回、この荷物整理が大仕事です。スーツケースの重さは20kgまでと決まっており、手荷物も一定のサイズ内で一つだけしか認められないという決まり。そう、この範囲でおさまらないほどの荷物になっているということなのです。(そのわけ?それは別でお話しましょう。)

 とにかく、シルバンナさんのお宅にあった体重計をかりて、重さを量りながら、各自なんとか整理終了。(もちろん、女性2人のウェイトを覗き見するようなまねはしておりませんので。あしからず。。。)

 ただ、結果として、ロベルトさんにご助力頂くことになりましたが・・・。(ロベルトさん、本当に本当にご迷惑をお掛けしました。ありがとうございました。)

 少し休憩して、いよいよイタリア最後の稽古のため道場へ。稽古はとにかく基本動作の説明の繰り返し。「誘い」「さばき」「入り身」「転換」「くずし」「めぐり」「極め」「投げ」「残心」と、改めて意識してもらうように説明し、指導の時間を終えました。

 最後は、私が演武をさせて頂くことになり、座技の受けを大浦さんに、半身半立技の受けを蔭浦さんに、立技の受けを藤田君にと、順番にとってもらい、全てのスケジュールを終了。締めの礼をとった際は、名残惜しい気持ちで一杯でした。
 
 シルバンナさんの家に戻り、23時頃より晩の食事を頂きましたが、その時は、なんかボーっとした状態になっており、胸一杯であまり食事ものどをとおりませんでした。最後の食卓は、マルティーノさん、アンナマリアさん、シルバンナさんと私たち4名。別れを惜しみながらも、楽しく談笑しながら食事を終え就寝。目が覚めたら、いよいよ帰国です。

 

◎7日目(帰国日)◎

 朝6時半に帰国の準備を全て完了。4人そろってお迎えを待ちました。7時過ぎにロベルトさんとディーノさんの車でベニス空港へ。空港には、マリオ先生と、クラウディアさん(今回はご家庭の事情により初日に空港でお会いしただけでしたが)も見送りに来てくれていました。マリオ先生にコーヒーをご馳走になり、最後のお別れの挨拶をして空港内へ。

 イタリアのみなさん、本当にお世話になりました。こんな簡単なコメントでは言い尽くせないほどの感謝の気持ちで一杯です。もちろん、他の3人も。

 フランクフルトでトランジットの際、待ち時間で昼食をとりましたが、蔭浦さんの「ソーセージが食べたいです」というニーズを受け、みんなで「ポーク」「ビーフ」両方のソーセージをだべました。おいしかったですね。

 フランクフルトから日本までは、もうひたすら寝まくりの私たちでした。

 

◎最後に◎

 今回、初めて木村先生不在という状態でイタリアに行き、いろんな意味で勉強させて頂きました。「川辺、任せた」と快く送り出していただいた木村先生には、本当に感謝しております。ありがとうございました。また、イタリアでお世話になった方々、私の指導が良かったかどうかわかりませんが、少なくとも私がみなさんに対し示せる誠意以上の対応をして頂き、筆舌に尽くしがたい程の感謝をしております。もちろん、同行した3人も同じ気持ちです。

 また、私にとっては、同行した3人の存在も大きなものでした。子の代ということもあり、私の考え方をよく理解してくれている藤田君、そして、しっかりとした演武を披露することで、私の指導のポイントをきちんと具現化してくれた大浦さんと蔭浦さん。加えて、結構しんどい時もあったと思いますが、常に満面の笑顔で微笑んでくれていた二人。そんな二人の元気な笑顔にどれだけ癒されたことか。一緒に行ってくれて、ありがとうございました。あとは、みなさんの得たものを、後輩達にも教えてあげてください。私も、いろんな人から得たものは、必ず合気道だけでなく、いろいろなところで返していきたいと思っています。

 まだまだ語りたい思い出話等たくさんありますが、私からのレポートはこれで一度終了させて頂きます。

 長文で失礼しました。では、また道場で。

bottom of page