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平成17年度川辺さんイタリア遠征記

平成17年10月5日~10月12日の期間で、阪大合気道部OB30代川辺さんがヨーロッパに合気道の遠征に行かれました。

その様子を日記として掲示板に書き込んでくださったので、ここにまとめました。

 

◎一日目◎

 早朝自宅を出発。5年ぶりの関空利用。しかも今回は単独でジュネーブまで。ん~、不安・・・。登場手続きを何とか(ほんとうにドキドキしていた)済ませてようやく離陸。まずはフランクフルトへ。この間10時間余り。いろいろな人からもらったアドバイスどおり、座席は通路側をゲットしており、しかも隣は空席。いやあ、ラッキー、ラッキー。しかしながら、じっと座りっぱなしは非常につらかった。普段は映画をじっとみるのも苦手なのに・・・。ほんでもってようやくフランクフルト着。ここにくるともう日本人の姿はほとんどなし。不安なままなんとか搭乗ゲートへ。なんとかフランクフルトからも離陸。約1時間後、ジュネーブに到着。(1時間とはいえ、飛行機の座席が非常に狭く、最悪だった)

 入国手続きを済ませ、空港出口へ。ここでようやく知った顔の登場。大教OBの前澤君がペーベル先生の道場の方と迎えにきてくれており、合流。そのまま、道場へ。ヨーロッパでする初めての稽古にやや緊張気味。この時点で日本時間の深夜2時頃(現地時間は19時頃)。窮屈な座席で縮こまった体を伸ばし、練習に参加。眠たさはあるものの、妙な緊張感の中、練習は終了。ヨーロッパ初稽古の感想は、「なかなか気持ちいい」でした。

 練習後、宿泊させて頂くペーベル先生のお宅へ。そして夕食会。メンバーは、木村先生・東武育の川島さん他学生4名と私。ペーベル先生の方は、ご夫婦とそのご子息(ルドルフさん)のカップル(むこうは結婚せずに一緒に暮らしているケースも多いらしい)に、学生が宿泊させてもらうお宅の方々と、わりと大人数。まずは味わいの濃いドイツビールにて乾杯。食事は、ペーベル先生の自宅でとれたジャガイモに、カマンベールチーズを熱してとろけさせたものをのせて食べるというもの。これがまた最高においしく、ついついバクバクと食べ過ぎました。もちろん、ビールに続きワインも頂き、気分は相当ハイテンション。お腹が相当満たされ、ほろ酔い気分のところ、なんと露天風呂があるとのことで、ルドルフさんと一緒に入浴。最高に気持ち良かったです。しかしながら、入浴(及び入浴前のセミヌード)シーンを某大学の学生(女性)に激写されるというハプニング。えらいこっちゃです。さらにハイテンションなルドルフさんが、素っ裸で家屋内に。当然、女性陣(特に学生)は逃げ惑う・・・。なんてドタバタ劇もありました。入浴後、ふたたびアルコールを入れて団欒再開。続いて女性陣の入浴タイム。(そういえばこの写真もあったような・・・)そんな中、ペーベル先生のご子息が、なにやらフランス語でいかがわしい歌(ふりつけから考えるとそう思われる)を歌いだした。それではおかえしに、というノリで、私は阪大の春歌(やんなっちゃった)を披露。初日から相当スパークしてしまいました。さらにハプニングは続き、なんとペーベル先生が突然、お尻を披露。これも致し方なく私や川島さんも追従。なんともおかしな盛り上がりです。

 0時半頃ようやく落ち着き就寝タイム。ビールとワインの空瓶が相当ころがってました。。。

 いやあ、波乱の幕開けでした。

 

◎二日目◎

 8時前に起床。パンとバターと自家製のジュースそしてコーヒーの朝食。パンもジュースもとてもおいしく、とりわけバターの味は、濃厚で最高(これまで味わったバターの中で最もおいしかったです)。

 10時頃から外出。ペーベル先生の道場の方にジュネーブの町を案内して頂く。湖の観光船に乗ったり、町並みを眺めたりと、ゆったりとした時間をすごした。それにしてもスイスの物価の高さには驚いた。なんとただの水が5フラン(約500円)も・・・。衝撃です。街の様子は「母をたずねて3千里」(これはたしかイタリアやったかな)でみたような感じでした。

 昼食は街中のレストランへ。ビールとワインも入りいい気分、と。昼食後、いわゆるチンチン電車のような交通機関で移動。一般人では立ち入れないところにつれていってもらいました。その場所は・・・、と記載したいところですが、これは掲示板上でオープンにするのはやめておきますので、興味のある方はまた聞いてください。(とにかく驚きの物品をたくさん見せていただきました。本当によかったです。)

 ひととおり観光したあとペーベル先生の道場へ。しっかりと稽古に励み、心地よい汗をかきました。やはりパワーのある人もいて、日本ではなかなか体験できない部分も多かった。(力をぬくための、いい意識づけができたと思います)

稽古後は、レストランで食事会。おいしいヒレステーキとビールにワイン。またまた、最高の食事でした。本当に食生活は、充実しすぎるくらい充実してました。

 食事会後、それぞれの宿泊先にもどり、またもや日付変更線をこえてからの就寝。このペースでいくと後半の寝不足が心配・・・。

 

◎三日目◎

 朝7時半頃起床。

 ジュネーブを離れイタリアへの移動日。お世話になったペーベル先生のお宅を後にし、空港へ。(非常に名残惜しかった)

ジュネーブ空港からミュンヘンを経由しベニスの空港に16時頃到着。柔術の先生であるマリオ先生が迎えにきてくれており、ひとまずは宿泊先へ案内してもらう。学生達は、道場の練習生の方の自宅敷地内にある別宅へ。木村先生と川島さんと私はホテルへ。荷物をおいて、少しホテルのカウンターバーで軽くビールを。そうこうしていると、お迎えがきて、夕食会の場所へ移動。夕食は、マリオ先生の経営する飲食店。ピザ生地をまるめてつくったパンにチーズをのせたもの、様々なパスタ・ピザと料理は盛りだくさん。しかもこれまたお味も最高。アルコールもビールにワインとおきまりのコース。ついつい食いすぎで胃がはちきれそうでした。とどめはデザート(デザートもこれまた相当あまいものでした)のあとに飲んだグラッパ。アルコール度数45度くらいのお酒ですが、これをワンショットグラスに注ぎ、イッキイッキの連続。これでもう相当のハイテンション。(ただ、お下品なまねはしておりません)

 さんざん飲み食いさせて頂き、宿泊先のドロのホテルへ送ってもらい、就寝準備。またもや日付変更線越え。川島さんの豪快ないびきも気にせず、2時頃ベッドへ。

 

◎四日目◎

 朝9時前よりホテルにて朝食。生ハムの味に感動。バイキング形式(といってもさほどのバリエーションはありませんでしたが)だったので、生ハムをたくさん食べて大満足。ホテルの前を流れる川にそって少し散歩していると、マリオ先生が迎えにきてくれたので、私だけ、マリオ先生の車へ(木村先生と川島さんは別行動)。私は、学生4名と合流してベネチア見学へ。ベネチアは世界的にも有名な観光地だけあって、観光客らしき人達がわんさか。我々も、街並みを眺めながら、少しお土産などを買い、昼食をとって12時半頃ベネチアをあとにしました。お昼からは、マリオ先生の道場で約3時間程度練習。マリオ先生の道場は柔術の道場なので、合気道経験者は多くはないものの、体格のいい人は結構いました。また、練習には、この次の日にお世話になるゴンザート先生(この先生は合気道の先生)の道場の練習生も参加していました。練習にのぞむ方々はみなさん、ものすごく熱心で、木村先生の一挙手一投足すべてを「見逃すまい」という目で見ていました(これは、ジュネーブのペーベル先生の道場の方々にも言えることでしたが、練習時間中の集中力には感心させられます)。木村先生は、基本的には一緒に連れて行った学生に受けをとらせますが、その場の雰囲気によっては、各道場の練習生を受けに使われます。ここでも、結構な割合でそうされてましたが、その受けのうまいこと、うまいこと。感心しました。そんな中で練習していたせいか、あっという間に3時間たってしまい、練習終了。私は、途中、白帯の人に少し技を教えていたりしていたので、もう少し練習したいという物足りなさをおぼえた状態で終了。ま、それぐらい、楽しく充実した時間だったということです。加えていうならば、教えていた白帯の女性(高校生か中学生の女の子だったらしい)の美人なことといったらもう・・・。(おっと誤解をまねくコメントを。あくまでもまじめに練習してましたので、あしからず)練習後、再びマリオ先生のお店で大宴会。またもや、ピザ・パスタ・ワインにグラッパで大盛り上がり。23時頃には宴会終了。川島さんとはここでお別れ(帰国)。私と木村先生は、ゴンザート先生の車でビチェンツァのホテルへ。学生は別の宿泊先へ。そして2時頃就寝。

 

◎五日目◎

 朝7時半頃起床。木村先生と身支度を整え、8時半にはホテルの前でゴンザート先生のお迎えを待つ。

9時過ぎに迎えの車に乗り込み、そのままゴンザート先生のお宅にて朝食をご馳走になる。パンとクッキーとコーヒーの軽食。ゴンザート先生の子供達の笑顔がとてもかわいく印象的でした(おみやげに日本の箸をプレゼントしたら、とても喜んでくれてました)。

 10時半から稽古開始。川島さんが帰国されたので、準備体操を私が担当(ちょっと緊張しました)。参加数は50名を超えていたと思いますが、やはり体格のいい人が多かった。しかも今回は、合気道経験者がメインだったので、できるだけ強そうな人と練習しようと思い、少し周りをさぐってました。すると、ちょうどキャリアも腕っ節もあるような人がいたのでその人と練習。とにかくパワーを意識せず、なんとか相手をふところに入れていくことだけに集中。とても充実した稽古だったと思います。

2時間程度で稽古は終了。そのまま近くのお店で昼食会。ビール・パスタ・ニョッキ・ハムにデザート、そしてエスプレッソにグラッパと、またもや大盛り上がり。我々のお腹も思いっきり盛り上がってました。毎度毎度行き先で感心するのは、一緒に行った学生の女の子のもてることもてること。ハグ・ハグ・ハグの連続に、写真・写真・写真の嵐です。まさに女性天国ですね、特にイタリアは。

 昼食後(たしか15時半頃)、車でコンサマルティーノへ移動。今度は、シルバンナさんという年配の女性のお宅にてお世話になることに。木村先生と私そして学生の男の子は先に到着。女性陣はなかなか到着せずはらはらする場面もありましたが、遅れること約1.5時間程で到着。しばらくくつろいで、20時頃から夕食。シルバンナさんは姉妹で生活されており、お二人でイタリアの家庭料理をご馳走してくれました。スープの中にチーズ入りワンタンの入ったようなもの、サーモン(ステーキのような切り身)をオリーブオイルでむしたもの等、とてもおいしかった。スープもサーモンもおかわりを頂き、ワインも飲みながら、最後はエスプレッソで締め。ちょっとした食べ過ぎ感はあったものの、ご満悦状態で就寝準備。

 ところが、ここでハプニング発生!胃が重い・・・。寝れない・・・。そう、おそらくは、ここまでのバク食いの影響と、夕食のサーモンの切り身あたりが、効いていたのだと思われます。サーモンは、本当にステーキを思わせるような厚めの切り身で、これを2切れ食べたんで、サーモン自体の油とオリーブオイルのこってりさのダブルパンチだったのでしょう。おもわずリビングルームで一人プチ悶絶。すると、木村先生も同様の理由で登場されました。二人でしばらく雑談し、胃が落ち着くのを待って2時頃就寝。でも、料理は本当においしかったですよ。(誤解のないように)

 

◎六日目◎

 朝6時過ぎに目覚める。あまり寝てない割には早い目覚め。窓をあけると、少し空が明らんでいた。30分もボーっとしていると、朝焼けで空が真っ赤に。思わずその美しさに感動。すばらしい目覚めでした。

 身支度を整え、9時前頃より朝食。パンとクッキーとコーヒーの軽食。朝食後、買い物をかねて、少し町を散歩。コンサマルティーノの町は、少し田舎町という雰囲気でワイン用のブドウ畑が広がってました。歩いていると、ワイン即売所のようなところがあり、そこで「ブルセッコ」というワインを試飲。これがおいしいのなんのって。値段は3ユーロ50セント(日本円で500~600円程度)。これは是非おみやげに、と思いましたが、自分で持って帰れるのは2本までだし、しかもスーツケースの重量にも制限があるし、なおかつ郵送するにはワイン30本分×3倍以上の費用がかかるとのことだし・・・、と結局断念。本当にみなさんに飲ませたかった逸品です。あと、ひとつおもしろかったのは、原料となってるぶどうを試食させてもらいましたが、なんと、むこうの人たちは、ぶどうは皮ごと種までも食べてしまうということでした。私も真似したけど、ん~、てな感じでした。

散歩を終え、シルバンナさんのお宅に戻り昼食。昨晩に続き、また手の込んだ料理(今度は肉料理)をご馳走になりました。さらに、先ほど紹介したブルセッコも加わり上機嫌。いやあ、極楽極楽、と。

 この日の練習は夜20時半からなので、それまで全員ゆっくりくつろぐことに。いよいよ明日帰国なので、みんなお土産の整理や、荷物の片付けに。特に、荷物の重量制限(20kg)を意識して、体重計何回も確認してました。それにしても、木村先生がいろいろな人から受け取ったおみやげの多いこと多いこと。おみやげだけでスーツケースが満タンになってました。

 この日は、マルティーノ先生の道場にて、審査&稽古会。コンサマルティーノという土地のマルティーノ先生。ちょっとややこしい。。。木村先生は、マルティーノ先生・シルバンナさん(ここまでふれなかったけど、シルバンナさんも合気道家。きれいな技をされる方です)と、審査についての打合わせ。私もそばで様子をみておりました。審査を受ける人は、5級8名、4級2名、初段4名。なんと審査の進行は私がすることになったため、あわててイタリア語の予習。対象者の名前にカタカナで読み方を書き、5級・4級・初段をイタリア語でなんというか、シルバンナさんに教えてもらいました。(結局カンペを仕込みましたが・・・)

 そして道場へ。時間があまりないため、学生が5級の技の模範演武をやったあと、準備体操なしですぐに審査に。私は、なれない片言のイタリア語、いや、イタリア語の単語の連呼で、なんとかその場を進行。感心させられたのは、審査をうける人たちの真剣さ。1年に一回のこういう機会を、心の底から大切に思い、全身全霊で審査にのぞんでいるのが、こちらまでビンビンと伝わってきます。日本で審査を受けている学生達に一度みせてあげたいと思いました。

審査結果も○。あまりの緊張でギクシャクしていた人もいますが、テクニック的には好印象。初段の4名も、思わず受けをとりたくなるようなできのよさ。本当に感心しました。細かい点では、いろいろとあると思いますが、彼らが、日本の道場の人たちと同じ環境で練習できれば、もっと上達するんだろうなと思います。

 練習後、シルバンナさんのお宅に戻り、23時から最後の晩餐。シンプルなトマトソースのパスタをご馳走になり、またもやご満悦。いよいよ帰国かとさびしくまた物足りない気持ちを感じつつ2時頃就寝。

 

◎七日目(最終日)◎

 5時半頃起床。身支度を整え、7時前にシルバンナさんのお宅を出発。空港には、マリオ先生も見送りにきてくれており、搭乗券の手配などを手伝ってくれました。本当に感謝感謝。

 11時13分にベネチアを離陸。途中フランクフルト空港を経由して関空へ。木村先生の「帰りぐらい、ビジネスクラスにのりたいなあ」のコメントに大きくうなずいてましたが、やはり飛行機内での10数時間は本当にしんどいものです。

 

◎最後に◎

 今回のヨーロッパ遠征は、私にとって本当にいい体験でした。同行させていただくことに快くこたえてくださった木村先生には、本当に感謝しております。故小林師範のはじめての渡欧が35歳。私も同じく35歳での初渡欧。何か関係があるわけでもないと思いますが、今後もいろいろと経験し、さらに成長を重ねたいと思います。

 だらだらと綴ってきましたが、これで、掲示板上でのヨーロッパ遠征に関する報告を終わらせていただきます。興味のある方は、いつでも道場などでお声掛け下さい。お土産は残ってませんが、お土産話はまだまだわんさかとありますので。では、これにて。。。

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